建築設備検査員とは？資格や仕事の内容から年収・就職・転職先までわかりやすく解説！

あなたも「建物に関わる専門資格を取って、安定した仕事に就きたい」と思ったことはありませんか？

そんなあなたにおすすめなのが、建築設備検査員です。

建築設備検査員は、建物の安全性を保つ法定検査の専門家として長く活躍できるだけでなく、AI時代にもなくならない”専門性の高い仕事”です。

なぜなら、建築設備の検査は法律で義務付けられており、人の経験と専門的な判断が必要で、機械には代わりにくいからです。

この記事では、建築設備検査員の資格の内容・仕事内容・取得方法・就職先・年収までをわかりやすく解説します。

「どんな資格なのか」や「どんな職場で働けるのか」など、あなたのキャリア選びに役立つ情報が満載です。

建物の安全を守る専門家として、社会に貢献したい人は、この記事を読むことでその”確かな道筋”が見えてくるはずです。

建築設備検査員とは？資格の種類・仕事内容・取得方法をわかりやすく解説

建築設備検査員の役割と仕事内容

建築設備検査員の役割と重要性

たとえば、あなたがビルの中で火災報知器が鳴ったとき。

その瞬間、非常用照明や排煙設備が正常に作動するかどうかが、命を分ける可能性があります。

これらの設備が適切に維持されているかをチェックするのが、建築設備検査員の重要な役割です。高い専門知識と正確な判断力が求められます。

こうした業務は「建築設備検査員」の資格を持つ人しか行えません。

資格があるからこそできる”独占業務”であり、まさに”専門性の証”です。

建築基準法に基づく建築設備定期検査とは？

建築基準法第12条では、一定規模以上の特殊建築物について、定期的な検査と報告が義務付けられています。

この制度により、建物の所有者は建築設備検査員に依頼して、定期的に建築設備の安全性を確認しなければなりません。

対象建築物	検査頻度	主な用途
特殊建築物（一定規模以上）	年1回または2〜3年に1回	劇場、百貨店、ホテル、病院、共同住宅、学校など
建築設備（換気・排煙など）	年1回	特定行政庁が指定する建築物

この法定検査は、建物を利用する人々の安全を守るために設けられた重要な制度です。

そして、この検査を実施できるのが「建築設備検査員」なのです。

資格取得の方法

建築設備検査員になるには、国土交通大臣の登録を受けた講習機関が実施する「建築設備検査資格者講習」を修了する必要があります。

ただし、この講習を受講するには一定の受講資格が必要です。

主な受講資格者は、建築士、建築設備士、電気主任技術者、技術士などの有資格者、または建築設備に関する実務経験が一定期間ある方です。

建築設備検査員の将来性

建築物の老朽化が進む中、定期検査の重要性はますます高まっています。

国土交通省のデータでも、既存の建物を安全に長く使うための維持管理が、急いで解決すべき大きな問題になっています。

この状況は、資格保有者にとって大きなチャンスです。

※建設労働需給調査結果より引用

試験（講習）の概要と合格率

講習の基本構成

建築設備検査員の資格取得は、「講習受講」と「修了考査合格」の流れになります。

一般的な試験とは異なり、登録講習機関が実施する講習を修了することで資格を取得できる制度です。

講習は3〜4日間連続で行われるため、仕事の調整が必要です。

年間の実施回数と申込時期

講習は年に数回、全国の主要都市で実施されます。

実施時期や場所は登録講習機関によって異なりますが、一般的には年3〜6回程度開催されています。

受講料は、約5〜8万円程度（講習機関により異なる）。

申込は講習機関のウェブサイトから行えます。

＞＞＞申し込みはこちら（一般財団法人 日本建築設備・昇降機センターHP）

受講資格と難易度

建築設備検査員講習を受講するには、一定の資格または実務経験が必要です。

受講資格	必要な条件
建築士	一級建築士、二級建築士、木造建築士
建築設備士	建築設備士資格保有者
電気主任技術者	第1種、第2種、第3種電気主任技術者
技術士	機械部門、電気電子部門、建設部門など
実務経験者	建築設備の設計・工事監理に関する実務経験2年以上など

※詳細な受講資格は講習機関によって異なる場合があります

受講資格を満たしている方にとっては、講習にしっかり出席し、内容を理解すれば合格できる難易度です。

合格率

建築設備検査員講習の修了考査合格率は、約90％以上と非常に高い水準です。

これは、受講者が既に一定の専門知識を持つ有資格者や実務経験者であること、講習内容をしっかり学べば合格できるレベルであることが理由です。

準備と学習のポイント

資格取得にかかる費用・講習内容・勉強方法

実際にかかる費用は、講習機関や準備の仕方によって変わります。

ここでは、費用の内訳と効果的な学習方法をわかりやすく解説します。

資格取得に必要な費用の内訳

項目	費用目安	備考
講習受講料	約50,000〜80,000円	講習機関により異なる
テキスト代	受講料に含まれる	講習機関から配布
交通費・宿泊費	10,000〜50,000円	開催地により変動
事前学習用書籍	3,000〜10,000円	任意・復習用

総額で約6〜15万円程度が目安となります。

講習内容の詳細

講習は3〜4日間、朝から夕方まで集中的に行われます。

効果的な準備方法

おすすめの参考書・教材

講習機関から配布されるテキストが主教材ですが、事前学習や理解を深めるために以下のような書籍も役立ちます。

• 「建築基準法関係法令集」
• 「建築設備の基礎知識」関連書籍
• 過去の講習修了者の体験記（ブログなど）

資格を取るメリット

建築設備検査員の就職・転職先とキャリアアップの道

「資格を取ったら、どんな仕事に就けるの？」「収入はどのくらい上がるの？」

この疑問に答えるために、ここでは建築設備検査員の就職・転職のリアルを詳しく見ていきましょう。

建築設備検査員は、法定業務を担える専門家として”業界から求められる人材”になります。

特に建築士や設備士などの資格と組み合わせることで、転職市場での価値が非常に高くなります。

建築設備検査員の主な就職先

平均年収とキャリア別の給与例

建築設備検査員を活かした仕事の平均年収（職種別）

■ キャリア別の年収イメージ

職種・キャリア	年収の目安	特徴・仕事内容
建築士（資格なし）	約450〜600万円	設計業務のみ
建築士＋建築設備検査員	約500〜700万円	設計＋定期検査業務で付加価値
ビル管理技術者（資格なし）	約350〜500万円	建物の維持管理業務
ビル管理技術者＋建築設備検査員	約450〜650万円	法定検査を担当でき重宝される
建築設備士＋建築設備検査員	約550〜800万円	設備設計から検査まで一貫対応
独立・個人事業主	約600〜1500万円以上	複数資格で多様な検査業務に対応

年収を上げる3つのポイント

「資格で収入が上がる」は本当か？

たとえば、同じ会社で働いていても、建築設備検査員には資格手当（月額5,000〜20,000円）が支給されるケースが多く、
年単位で見ると数万円〜数十万円の差になります。

さらに、複数の定期検査業務を担当できるようになることで、業務単価が上がり、実質的な年収が増加します。

建築設備検査員がキャリアアップできる職種

建築設備・法定点検のスキルが活かせる他業界

転職を成功させるコツとおすすめサイト

おすすめの転職エージェント

転職を成功させるための3つのコツ

転職活動の進め方（3ステップ）

まとめ｜建築設備検査員は「安定した需要」と「専門性」を両立できる資格

建築設備検査員とは、建築基準法に基づき、建築設備の定期検査を行う国家資格です。

換気設備・排煙設備・非常用照明・給排水設備などが適切に機能しているかを検査し、建物の安全性を確認する重要な仕事を担います。

この資格の魅力は、法定業務による安定した需要と、建築・設備分野での高い専門性にあります。

建築士や設備士などの資格と組み合わせることで、キャリアの幅が大きく広がります。