宅地建物取引士とは？資格や仕事の内容から年収・就職・転職先までわかりやすく解説！

あなたも「資格を取って安定した仕事に就きたい」と思ったことはありませんか？

そんなあなたにおすすめなのが、宅地建物取引士（宅建士）です。

宅建士は、不動産取引の専門家として長く活躍できるだけでなく、設置義務があるため、AI時代にもなくならない”手に職”の仕事です。

なぜなら、重要事項の説明や契約書への記名など、法律で定められた独占業務があり、機械には代わりにくいからです。

この記事では、宅建士の資格の種類・仕事内容・試験内容・就職先・年収までをわかりやすく解説します。

「試験の難易度は？」や「どんな職場で働けるのか」など、あなたのキャリア選びに役立つ情報が満載です。

不動産業界で確実なキャリアを築きたい人は、この記事を読むことでその”確かな道筋”が見えてくるはずです。

宅地建物取引士とは？資格の種類・仕事内容・取得方法をわかりやすく解説

宅地建物取引士の役割と仕事内容

宅建士の役割と重要性

たとえば、あなたが新しい家を買う瞬間。

その契約の裏側には、必ず宅建士の専門知識があります。

物件1つでも説明を誤れば、トラブルや損害賠償のリスクがあり、高い専門知識と正確な業務遂行能力が求められます。

こうした業務のうち、3つの独占業務は「宅建士」の資格を持つ人しか行えません。

資格があるからこそできる”独占業務”であり、まさに”手に職”の象徴です。

宅建士の3つの独占業務

独占業務	内容
重要事項説明（35条書面）	契約前に買主・借主へ物件の重要事項を口頭で説明 宅建士証の提示義務あり
重要事項説明書への記名	説明内容の責任を証明する記名 （2022年5月より押印不要）
契約書への記名（37条書面）	売買代金・引渡し時期などを記載した書面への記名

設置義務（従業員5人に1人以上）

宅地建物取引業法第31条の3により、不動産業者には事務所ごとに専任の宅建士を設置する義務があります。

場所	設置基準
事務所	従業員5人につき1人以上
案内所・モデルルーム	1人以上（人数に関係なく）

この設置義務があるため、宅建士は常に需要が高いのが特徴です。

宅建士資格の将来性

不動産市場は、人口減少時代においても都市部では安定した需要があり、相続・資産承継・投資需要の増加など、今後も宅建士のニーズは高まり続けるでしょう。

厚生労働省のデータでも、不動産業界の有資格者不足は深刻。

この状況は、資格保有者にとって大きなチャンスです。

※全宅連「REAL PARTNER（2024年11月号）」より引用

宅地建物取引士と関連資格の違い

結論から言うと、業務内容と独占業務の有無、それが宅建士と関連資格の大きな違いです。

不動産系資格の難易度比較表（2024年度最新データ）

資格名	合格率	勉強時間	難易度	独占業務
不動産鑑定士	約5%	2,000〜4,000時間	★★★★★	あり
マンション管理士	12.7%	400〜500時間	★★★★☆	なし
宅建士	18.6%	300〜400時間	★★★☆☆	あり
管理業務主任者	21.3%	200〜300時間	★★★☆☆	あり
賃貸不動産経営管理士	24.1%	100〜200時間	★★☆☆☆	業務管理者要件
FP2級	20〜50%	150〜300時間	★★☆☆☆	なし

管理業務主任者とは？

ダブルライセンスに最適

マンション管理会社側の立場で、管理組合への重要事項説明などを行う国家資格です。

30管理組合につき1人以上の配置義務があり、宅建と試験範囲（民法など）が重複するため、ダブルライセンスに最適。

イメージとしては「マンション管理のプロ」として、管理会社で活躍するレベル。

宅建を取得した後のステップアップ資格として人気があります。

マンション管理士とは？

最高難易度の資格

管理組合側のアドバイザー（コンサルタント）として活躍する資格です。

名称独占資格（独占業務なし）ですが、マンション管理の法律・会計・建築に関する高度な知識が求められ、不動産四冠の中で最も難易度が高い資格とされています。

不動産鑑定士・賃貸不動産経営管理士・FPとは？

不動産鑑定士は、不動産の価値を鑑定する最高峰資格。司法試験・公認会計士と並ぶ「文系3大国家資格」の一つで、勉強時間は宅建の約10倍。

賃貸不動産経営管理士は、2021年に国家資格化された比較的新しい資格。賃貸住宅の管理業務に関する専門家で、不動産四冠の中で最も取得しやすいとされています。

FP（ファイナンシャルプランナー）は、お金の専門家として、住宅ローン・税金・保険などをアドバイスする資格。宅建との最も人気の高いダブルライセンス組み合わせです。

難易度と合格率の違い

資格名	合格率	試験内容	難易度	受験資格
宅建士	約18.6％	四肢択一50問	中級	制限なし
管理業務主任者	約21.3％	四肢択一50問	中級	制限なし
マンション管理士	約12.7％	四肢択一50問	上級	制限なし
不動産鑑定士	約5％	短答式＋論文式	最上級	制限なし

宅建士は国家資格の中では比較的挑戦しやすく、受験資格に制限がないため、未経験からでも目指せるのが大きな魅力です。

どれを目指すべき？

宅建士	管理業務主任者・マンション管理士
不動産業界で幅広く活躍したい まずは手に職をつけて転職したい	すでに宅建を取得している マンション管理分野に特化したい

ここで一歩踏み出したい方へ

資格取得に向けて最短ルートを歩みたいなら、通信講座の利用が圧倒的に効率的です。

試験の概要と合格率

試験の基本構成

宅建士試験は、マークシート式の四肢択一50問で構成されます。

試験時間は2時間、出題範囲は以下の4科目です。

2024年度（令和6年度）試験結果【公式発表】

項目	データ
試験日	2024年10月20日（日）
受験者数	241,436人
合格者数	44,992人
合格率	18.6%（男17.8%／女20.1%）
合格基準点	50問中37問以上正解
平均年齢	35.9歳

※2024年度の合格率18.6%は過去最高水準

試験の基本情報

項目	内容
試験日程	例年10月第3日曜日
2025年度予定	2025年10月19日（日）
試験時間	13:00〜15:00（2時間）
出題形式	四肢択一マークシート50問
受験資格	制限なし（年齢・学歴不問）
受験料	8,200円

＞＞＞申し込みはこちら（一般財団法人 不動産適正取引推進機構HP）

試験科目と出題配分

科目	出題数	主な内容	目標点
権利関係	14問	民法、借地借家法、区分所有法、不動産登記法	8〜9問
宅建業法	20問	宅地建物取引業法全般	18〜20問
法令上の制限	8問	都市計画法、建築基準法、農地法など	5〜7問
税・その他	8問	不動産取得税、固定資産税、地価公示法など	5〜6問

ポイント：宅建業法（20問）は最も配点が高く、満点を目指すべき科目です。

暗記中心で得点しやすいため、ここで確実に18〜20点を取ることが合格の鍵となります。

過去5年間の合格率推移

年度	受験者数	合格者数	合格率	合格点
2024年	241,436人	44,992人	18.6%	37点
2023年	233,276人	40,025人	17.2%	36点
2022年	226,048人	38,525人	17.0%	36点
2021年10月	209,749人	37,579人	17.9%	34点
2020年10月	168,989人	29,728人	17.6%	38点

合格率は例年15〜18%程度で安定しており、およそ5〜6人に1人が合格する計算です。

難易度は国家資格の中では中級レベルで、しっかり準備すれば十分合格可能です。

2024年度から、一部の受験者を対象に年2回の試験実施が始まりました。

勉強方法の選択肢

勉強方法	特徴	向いている人
独学	費用が安く、自分のペースで進められる。過去問中心。	学習習慣がある人、コツコツ型
通信講座	映像・教材・添削サポートあり。効率的に理解。	忙しい社会人、短期合格を目指す人

実際に「半年以内で合格できた」という口コミも多く、忙しい社会人でもスキマ時間で効率的に学べる点が支持されています。

合格までの目安勉強時間

合格のコツ

資格取得にかかる費用・勉強方法

実際にかかる費用は、勉強方法によって大きく変わります。

ここでは、独学・通信講座それぞれの費用感と特徴をわかりやすく比較します。

学習方法の比較

勉強法	総費用	学習効率	向いている人
独学	約1〜1.5万円	時間がかかる	コツコツ学べる人
通信講座	約1.5〜15万円	効率が高い	忙しい社会人
通学講座	約15〜25万円	就職に強い	時間に余裕がある人

資格取得に必要な費用の内訳

項目	金額
受験手数料	8,200円
登録実務講習（実務経験2年未満の場合）	約20,000円
資格登録手数料	37,000円
宅建士証交付申請手数料	4,500円
法定講習（合格後1年超の場合）	約12,000円
教材・テキスト代（独学）	約3,000〜10,000円
通信講座費用	約15,000〜150,000円
通学講座費用	約150,000〜250,000円

トータル費用目安

• 実務経験2年以上＋合格後1年以内：約49,700円
• 実務経験2年未満＋合格後1年超：約73,500〜81,700円

資格を取るメリット

宅地建物取引士の就職・転職先とキャリアアップの道

「資格を取ったら、どんな仕事に就けるの？」「収入はどのくらい上がるの？」

この疑問に答えるために、ここでは宅建士の就職・転職のリアルを詳しく見ていきましょう。

宅建士は、資格を取った瞬間に”業界から求められる人材”になります。

転職市場での価値が非常に高く、未経験でも採用されやすいのが特徴です。

宅地建物取引士の主な就職先

平均年収とキャリア別の給与例

■ 宅建士の平均年収（全体）

■ 年代別平均年収

年代	平均年収	特徴
20代	約300〜400万円	未経験スタート、資格手当で差
30代	約410〜520万円	中堅として営業実績を積む時期
40代	約490〜610万円	店長・マネージャークラス
50代	約580〜680万円	管理職・独立開業者も多い

■ 企業規模別平均年収

企業規模	平均年収
大企業（従業員1,000人以上）	約650万円
中規模企業（100〜999人）	約620万円
小規模企業（10〜99人）	約510万円

■ 地域別平均年収

地域	平均年収
東京都	約700万円（最高水準）
大阪府・神奈川県	約550〜600万円
愛知県・福岡県	約500〜550万円
地方都市	約430〜500万円

■ 資格手当の相場

年収を上げる3つのポイント

宅建士がキャリアアップできる職種

宅建士のスキルが活かせる他業界

転職を成功させるコツとおすすめサイト

おすすめの転職エージェント

転職を成功させるための3つのコツ

転職活動の進め方（3ステップ）

まとめ｜宅地建物取引士は「専門性」と「安定」を両立できる資格

宅地建物取引士とは、不動産取引の専門家として、重要事項説明や契約業務を行う国家資格です。

マイホームの購入から投資用不動産、店舗・オフィスの賃貸まで、私たちの生活や企業活動を支える重要な仕事を担います。

この資格の魅力は、景気やAIの影響を受けにくい安定性と、努力が収入に直結する専門性にあります。

未経験からでも挑戦でき、資格を取れば就職・転職・独立まで幅広い道が開けます。